一般社団法人くまもと文化振興会/発行
定価 800円+税
2021年9月15日発行
総合文化誌『KUMAMOTO』36号/目次
くまもとの街並み 唐人町通り 写真・文 緒方昭夫
アーティストの主張 海の情景 山田紘一
わが人生に悔い無し 磯谷精一
人の気配、存在、かたち 小林孝夫
私の一枚 松岡正直先生の「風景」 松山サダ子
巻頭言 コロナ禍の中のオリンピック騒動 廣島正
私の文化論 不要不急 吉永明彦
北里柴三郎没後九〇年
北里柴三郎博士の功績を改めて振り返る 佐藤和行
九州学院創立一一〇周年(1)
九州学院の創設秘話 藤本誠
「文明の衝突論」批判と日本文化論の核心 儀間敏彦
山鹿・八千代座創業一一〇年
地方都市に建設された常設の芝居小屋 木村理郎
特集1 ハーン来熊一三〇年
今年はハーンが熊本に来て一三〇年の節目の年にあたる。コロナ禍で大規模な集会など行なえない中、本誌は熊本八雲会の 協力を得てこの特集を組むことにした。ハーンと熊本とのかかわりをはじめ、ハーンのスポーツに対する興味、また英語や英文学だけでなく、フランス語・フランス文学を愛好していたことなど、ハーンの実像や評価にもかかわる新しい論点・視点なども明記されている。
ハーンと熊本 西川盛雄
熊本におけるハーンとスポーツ アラン・ローゼン
ラフカディオ・ハーンとフランス 濱田明
「夏の日の夢」場面考証 坂本弘敏
朗読と『雪女』 古木信子
松江・熊本に於けるラフカディオ・ハーンと 『石仏・くまもとハーン通信』 菅慶司
楕円の視点 高峰武
窓 重厚な藝術銅板彫刻のすすめ 松本学
記念館を訪ねて
世界無形文化遺産を伝承する 八代市「お祭りでんでん館」 古賀一正
自著を語る 医者の醍醐味は推理にあり『世間はヒトで出来ている』 由富章子
漫画談義 マンガとお金-文化GDPと「論語と算盤」 橋本博
古町を活かす 城下町熊本を保全・再生・創造しよう【井川渕・藤崎宮・千反畑界隈】 北里敏明
小説 追憶(上)美麗島(台湾) 斉藤てる
特集2 ワタシ外国人デス、頑張ッテマス!
熊本もずいぶんと国際化した。外国の人々も普通に見かけるようになった。そんな中で熊本の地で頑張っていろんなことをやっている人たちを特集してみた。もちろん、今回紹介したのはほんの一部である。とは言え、日本語で表記できない(翻訳せざるを得ない)表現を日本語にするには骨が折れたろう。でも、読めて初めて頑張っている彼らのいつわりのない声を聞くことが出来たのだ。
英国スコットランド出身の漫画原作者 日本に魅せられたへるんさんにも共感 ショーン・マイケル・ウィルソン
エジプトからやってきたエイズの研究者 へシャム・ナセル
外国人の目に映った漱石 高継芬
マンガ研究家など多彩な分野でマルチな活躍 井島ワッシュバーン・パトリック
無限の可能性を与えてくれる熊本 ラファエル・K・タキシス
はじめての木村祐章 木村祐章と文学追憶の人「折口信夫先生」(1) 木村兄弟(史彦・理郎)
美術のこみち 熊本のキリシタン遺物・南蛮美術(5) 天草の「ロザリオの聖母」の銅牌とその図像 関根浩子
辛亥革命一一〇周年
辛亥革命と熊本県人 齋藤仁志
渡「満」八〇周年
「満州」来民開拓団―差別なき楽土「満州」へ(下) 堤克彦
種田山頭火の熊本時代
井上智重氏の山頭火研究に疑義を呈す(続編) 古川富章
クマモトを読む 花立三郎著『徳富蘇峰と大江義塾』/中村青史
熊本の伝統料理 熊本藩士の料理集より「梅の砂糖漬」と「煎り豆腐丼」 戸次元子
犬にかまれて ダンサーのケンカ 稲原豊命
映画にキッス 山崎けいの シネエッセー&映画新作紹介
創るシネマ 『わが青春つきるとも伊藤千代子の生涯』 上田精一
相馬事件小史 桂木正一
新連載 肥後医育塾
第3回 進歩続ける感染症医療
倦怠感と高熱ってインフルエンザ? 岩越一
吐き気と下痢ってノロ? 今村治男・松崎凛子
誰に相談する?性感染症 片渕美和子
誰に相談する?エイズ 松下修三
医療相談室
内科 林田信夫 小児科 駒木智
泌尿器科 池田和義 麻酔科 今泉隆志
政治の真実を求めて 原発の発電コストは限りなく高くなる 野田邦治
新聞時評 「老」日本に即した対策は何か 冨田啓一郎
行政に喝 憲法は誰が守るべきものか 福山健氏
法の烽火 自然災害あれこれ 松野信夫
表紙絵画/田代晃三